ルーブル美術館にある「青いカバ」という作品をご存知でしょうか?
- 初めて聞いたけれど、気になる
- 名前だけ知っていて、詳しくは分からない
- 知っているけど、まだ実物を見たことがない
そんな方に向けてこの記事では、青いカバの大きさや時代背景、展示場所だけでなく、エジプト美術部門の見どころや公式ショップで買えるお土産グッズまで詳しく紹介します。
「青いカバ」はルーブル美術館のエジプト美術部門に展示されており、その中でも特に人気の高い作品のひとつです。
ユーモラスなフォルムと鮮やかなブルーがその理由となっています。
ただ可愛いだけではありません。
古代エジプト人にとって特別な意味を持つ色や宗教的背景を知ることで、この作品の魅力がぐっと深まります。
ルーブル美術館で実際に「青いカバ」を探す前に、この記事でしっかり予習しておきましょう!
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ルーブル美術館にある「青いカバ」とは?

Photo by Christian Décamps, © Musée du Louvre, Dist. RMN-Grand Palais
青いカバは、紀元前約2000年(古代エジプトの中王国時代) に制作されました。
写真で見ると青は均一に見えますが、実際に見ると光の反射で青緑にゆらぎます。
高さ10cmほどの小像なのに、3000年以上の時を経ても欠けが少なく、青の発色もよく残っています。
ルーブルに展示されている青いカバは、足が完全に残っている数少ない良好な例であり、古代エジプトの美意識と宗教観が凝縮された象徴的な作品といえます。
ちなみに、青いカバの色は世界最古の合成顔料と呼ばれる「エジプシャンブルー」と混同されがちですが、実際は釉薬による「ファイアンス特有の青色」です。
どちらにせよ、古代エジプト人が大切にした色であることに違いありません。
大きさ・素材・制作年代
- 大きさ:高さ 約9.5cm、長さ 約20cm(小さな手のひらサイズの像)
- 素材:ファイアンス(エジプト陶器、石英粉を釉薬で焼成したガラス質の素材)
- 制作年代:紀元前約2000年頃(古代エジプト・中王国時代)
- 作品番号:E 7709 A
ファイアンスとは?
ファイアンス(faience)とは「エジプト陶器」とも呼ばれ、粉砕した石英や長石に釉薬をかけて焼き上げることで、ガラスのような光沢と鮮やかな発色を持たせた技術で、古代エジプト人が好んで装飾品や副葬品に用いていました。
青い色の持つ意味
青は古代エジプトにおいて、単なる美的な色ではありませんでした。
ナイル川の水・豊穣な大地・再生と永遠の生命といった自然と信仰を結びつける色であり、亡くなった人に力を与える象徴とされていました。
したがって、この青いカバも単なる動物の像ではなく、死後の世界で持ち主を守り、再生を約束するお守り的な存在として、副葬品のひとつに加えられました。
カバである意味
一方でカバは現実には危険な動物であり、ナイル川で人や船を襲う存在でもありました。
そのため一部では「災厄をもたらす存在」として恐れられ、副葬の際に足を折られて埋葬された例もあります。
つまり、青いカバには「生命を与える存在」と「破壊をもたらす存在」という二面性が宿っているのです。
作品の場所
ルーブル美術館の中央入口(ガラスのピラミッド下)からエントランスに入り、「Sully翼」に向かって進むとエジプト美術部門に到着します。
展示案内板や館内マップで “hippopotame” を探すと見つかりやすいです。
- 展示部門:エジプト美術部門
- フロア:ルーブル美術館 Sully翼
- 部展示室:636(Salle636 Vitrine 6)(中王国時代コーナー)
撮影はできる?
ルーブル美術館の展示品は 基本的に撮影可能で、青いカバも対象になっています。
しかし、いくつかの注意が必要です。
- フラッシュ禁止(展示物保護のため)、三脚・セルフィースティック(自撮り棒)禁止
- ガラスケース内に展示されており、照明の反射や周囲の人が映り込みやすい事に気をつけましょう。
→少し斜めから撮影するか、画面を暗めに調整すると反射が減ります。 - スマホのズームは画質が落ちるので、なるべくケースに近づいて撮ると綺麗に写ります。
- SNSへの投稿自体は自由ですが、他の来館者が映り込む場合は、モザイクや切り取りでプライバシーへの配慮が必要です。
世界中の「青いカバ」
ルーブル美術館の青いカバ以外にも、実は同じようなカバ像が世界各地の博物館に所蔵されています。
以下に代表的なものをまとめます。
- 大英博物館(ロンドン)
- 所蔵番号:EA 11657
- 脚は修復されており、古代エジプト美術の人気者
- メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
- 通称:ウィリアム(William)
- 所蔵番号:17.9.1
- エジプト部門の代表作の一つ
- 両足が折られて埋葬されていた痕跡がある
- ボストン美術館(マサチューセッツ)
- 小ぶりなファイアンス製のカバ像を所蔵
- ベルリン・エジプト博物館(ドイツ)
- 複数のファイアンス製動物像の中に青いカバ像が含まれている
エジプト美術部門:他の見どころ作品
ルーブル美術館のエジプト美術部門(Sully翼・展示室636〔中王国コーナー〕)は、青いカバ以外にも数々の見どころがあります。
1. 書記座像(Seated Scribe)
- 特徴:座ってパピルスを持つ書記官。
- 見どころ:水晶を埋め込んだ瞳が驚くほどリアルで、古代彫刻の傑作とされる。
2. セネブの家族像
- 特徴:小人症の高官セネブと妻・子供を描いた彫像。温かみのある家族を表現している。
- 見どころ:障がいを持ちながらも、高い地位についたセネブの社会的役割がわかる。
3. ミイラと棺
- 特徴:実際のミイラ、鮮やかな彩色が施された棺、木製や石棺もあり。
- 見どころ:葬送儀礼や死後の世界観が直接感じられる展示。
混雑を回避するためのコツ
モナ・リザやミロのヴィーナスのように人だかりになる作品とは違い、青いカバは比較的落ち着いて鑑賞できます。
- 午前中の早い時間帯(開館直後)が比較的空いていて狙い目。
- 多くの人が真っ先に「モナ・リザ」へ向かうため、先にエジプト美術部門に向かうのがおすすめ
- 水曜・金曜は夜間開館(21:45まで)があり、夕方以降は比較的空いている。
- 所要時間は 30〜40分あれば主要展示をざっと鑑賞可能
青いカバはお土産も見どころのひとつ
ルーブル美術館の公式ショップ「Boutique du Louvre」では、青いカバをモチーフにしたグッズが販売されています。
- お土産ショップで手に入る青いカバグッズ
- ぬいぐるみ(子供や可愛い物好きに人気)
- フィギュア・ミニチュア像(自宅に飾れるレプリカ)
- マグネット(小さめサイズで手軽なお土産品として人気)
- ステーショナリー(ポストカード、ノート、ペンなど)
- アパレル・雑貨(トートバッグ、Tシャツなどに青いカバがプリントされているデザインも)
青いカバは公式ショップでもモチーフグッズが多数販売されています。
まとめ:ルーブル美術館で「青いカバ」を探そう
- 展示場所:ルーブル美術館 Sully翼 ・エジプト美術部門・Salle636 Vitrine 6
- 基本情報:高さ約10cm、長さ約20cm、ファイアンス製、紀元前2000年頃(中王国時代)
- 撮影可否:撮影可能(フラッシュ禁止)
- ロンドンやアメリカにも青いカバの展示はあるが、ルーブル美術館の物は保存状態が良好
- 他の見どころ:書記座像、セネブの家族像、ミイラと棺
- 混雑対策:午前中は比較的空いていて落ち着いて鑑賞できる
- お土産:マグネット・ぬいぐるみ・ミニ像など、ショップや公式オンラインで購入可能
次のパリ旅行では、ぜひルーブル美術館のエジプト美術部門で「青いカバ」を探してみて下さい。
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